本記事では、Cursorでバイブコーディングを始める手順から進め方のコツ、業務で使うときの注意点までを、開発の内製化を検討している方に向けて解説します。
CursorならAIと会話しながらバイブコーディングができる
バイブコーディングはAIに自然言語で作りたいものを伝え、コードの生成や修正をAIに任せながら開発する方法です。従来のように人が一行ずつコードを書くのではなく、次のような流れで進めます。
- 作りたいものを伝える
- AIがコードを生成する
- 動作を確認する
- 問題をAIへ伝える
- AIが修正する
Cursorは、そのバイブコーディングを実行できるコードエディタのひとつです。単にコードを生成するだけでなく、開いているプロジェクトの中身を参照しながら開発を進められる点が特徴で、Agentという機能ではコードベースを調べながら複数のファイルを変更したり、コマンドを実行したりできます。
なお、Claude CodeやGeminiでもバイブコーディングは可能です。
ターミナルで動かすタイプのツールを知りたい場合はバイブコーディングにClaude Codeを使う方法とは?導入から実務運用までわかりやすく解説を、ブラウザだけで完結する環境を探している場合はバイブコーディングとGeminiで変わる開発スタイル!ツール選びから実務導入まで解説をご覧ください。本記事はCursorを使った方法に絞って解説します。
Cursorでバイブコーディングを始める方法
Cursorでのバイブコーディングは、インストールしてAgentに話しかければすぐに始められます。ただし、仕様を整理してから指示を出したほうが結果は安定するため、準備から確認までの一連の流れとして手順を紹介します。
- Cursorをインストールして初期設定する
- Cursorに作らせるものと仕様を整理する
- Cursorでプロジェクトフォルダを開く
- Agentに作りたいものを指示する
- 生成されたアプリを実際に動かす
- Review changesでCursorが変更したコードを確認する
- 問題があればAgentへ修正を指示する
Cursorをインストールして初期設定する
まず、Cursor公式サイトからアプリをダウンロードしてインストールしましょう。macOS、Windows、Linuxに対応しているため、普段お使いのパソコンでそのまま始められます。
インストール後は、アカウントを作成してログインし、プライバシーモードの設定まで済ませておきましょう。画面の細かい配置は更新のたびに変わるため、ボタンの位置を覚えるより、どの機能がどこにあるかを把握しておくほうが役に立ちます。なお、VS Codeを使っている場合は、設定や拡張機能をそのまま引き継げます。
Cursorに作らせるものと仕様を整理する
Cursorを開く前に、作りたいものの中身を紙やメモに書き出しておきましょう。整理しておきたいのは次の項目です。
- 何を作るか
- 誰が使うか
- 必要な機能
- 入力する情報
- 表示する情報
『予約システムを作って』といった曖昧な指示だけでは、想定と違うものが出てくる可能性が高くなります。試作品を作る段階で詳細な設計書まで用意する必要はありませんが、上の5項目くらいはCursorへ渡す前に決めておくと、修正のやり取りが減ります。
Cursorでプロジェクトフォルダを開く
作業用のフォルダを新しく用意して、Cursorから開きましょう。プロジェクトとは、作成するアプリなどに必要なファイルをまとめたもので、この単位でCursorはコードを扱います。
Cursorは開いたコードベースをインデックス化し、プロジェクト内の情報を検索してAgentの回答やコード生成に利用します。そのため、関係のないファイルが大量に入ったフォルダより、その開発専用のフォルダを用意したほうが精度は上がるはずです。まずは空のフォルダをひとつ作るところから始めれば問題ありません。
Agentに作りたいものを指示する
CursorのAgentへ、作りたいものを自然言語で伝えましょう。たとえば、次のように書きます。
『ブラウザで使えるToDo管理ツールを作成してください。タスクの追加・完了・削除ができ、スマートフォンでも使いやすいデザインにしてください』
このとき、目的だけを伝えるのではなく、必要な機能、使用する条件、デザインの方向性、使いたい技術まで具体的に添えるのがコツです。Agentは必要なファイルを自分で探し、複数ファイルの編集やコマンドの実行まで進めるため、条件が細かいほど手戻りが減ります。
生成されたアプリを実際に動かす
Agentがコードを生成したら、実際に動かして確認しましょう。画面が表示されただけで完成と判断せず、次の点を確かめます。
- ボタンが動くか
- データを入力できるか
- 想定した結果になるか
- 表示が崩れていないか
CursorのAgentはコマンドも実行できるため、起動のような開発環境の操作まで任せられる場合があります。ただし、Agentが実行しようとしているコマンドの内容は、承認する前に必ず目を通してください。ファイルの削除など、取り返しのつかない操作が含まれている可能性もあるからです。
Review changesでCursorが変更したコードを確認する
Agentがコードを変更したら、Review changesから変更箇所を確認しましょう。追加されたコードや削除されたコードを差分の形で見られるため、どこが変わったのかを目で追えます。
必要な変更だけを受け入れ、不要な変更は拒否できる点が、この機能の便利なところです。この際にコードの中身がすべて分からなくても構いません。AIがどのファイルを変更したのかを毎回確認する習慣をつけておけば、後から何が起きたのかを追えなくなる事態を防げます。
問題があればAgentへ修正を指示する
実際に動かして問題が見つかったら、症状をAgentへ具体的に伝えましょう。たとえば、次のような形です。
- ボタンを押しても動かない
- 入力内容が保存されない
- スマートフォンで表示が崩れる
エラーメッセージが出ている場合は、その文面をそのまま貼り付けるとAgentが原因を特定しやすくなります。指示、生成、確認、修正を繰り返しながら完成度を上げていくのが、Cursorを使ったバイブコーディングの基本的な進め方です。
Cursorでバイブコーディングを進めるコツ
思いついたことをそのままAgentへ指示するだけでも開発は進みますが、機能を使い分けたほうが結果は安定します。初心者でも扱いやすいCursorの機能を中心に、3つのコツを紹介します。
- いきなりAgentに作らせずAskで相談する
- Project RulesでCursorへの指示を固定する
- 一度にすべて作らず機能ごとにAgentへ依頼する
いきなりAgentに作らせずAskで相談する
コードを変更させる前に、Askで相談してみましょう。Askはコードベースを調べて回答する一方、自動的にはコードを変更しません。コーディングの方針を決める段階では、こちらのほうが安心して使えます。たとえば、Askには次のような質問が可能です。
- この機能を追加するには何を変更すればいい?
- このエラーの原因を調べて
- このコードの仕組みを初心者向けに説明して
このような質問を通して内容を理解してからAgentへ実装を依頼すれば、自分が分からないまま開発だけが進んでいく状態を避けられます。
Project RulesでCursorへの指示を固定する
Cusorのバイブコーディングで何度も同じ指示を出しているなら、Project Rulesを使いましょう。.cursor/rulesにルールを設定すると、プロジェクト固有の設計方針やコーディングルールをAgentへ継続的に伝えられます。
登録しておくと便利なのは以下のようなものです。
- 使用する技術
- ファイル構成
- 命名ルール
- 実装方針
毎回プロンプトに書いていた前提をルールに移すと、指示そのものを短くできます。チームで開発する場合は、ルールを共有することで、誰が指示を出しても同じ書き方のコードが出てくる状態に近づきます。
一度にすべて作らず機能ごとにAgentへ依頼する
Cusorのバイブコーディングでは、一度にすべて作らず小分けにAgentへ依頼しましょう。変更する範囲を広くすると問題が起きたときに原因の場所を特定しにくいからです。
大きなシステムを一度のプロンプトで完成させようとせず、小さな単位に分けてAgentへ指示しましょう。画面作成、入力機能、保存機能、ログイン機能というように区切って進めます。
なお、この進め方はCursorに限った話ではなく、AIを使ったコーディング全般で有効です。
Cursorでバイブコーディングするときの注意点
Cursorには開発を支援する機能が豊富にありますが、Cursorを使えば品質や安全性まで保証されるわけではありません。Cursor固有の注意点と、AIコーディング全般に共通する問題を分けて説明します。
- Agentが生成したコードをそのまま採用しない
- チェックポイントだけでなくGitでも変更履歴を残す
- Cursorでもコードのブラックボックス化は起こる
- 機密情報を扱うならプライバシーモードを確認する
- Cursorを使っても設計やテストは不要にならない
Agentが生成したコードをそのまま採用しない
Agentが生成したコードは、内容を確認してから採用しましょう。AIが書いたコードが必ず正しいとは限らず、動いているように見えても想定と違う処理をしている場合があるためです。これはCursor固有ではなく、生成AIによるコーディング全般に共通する問題です。
CursorではReview changesという生成したコードの確認が容易になる機能が使えるため、少なくともAgentが変更した箇所には毎回目を通してから受け入れましょう。あわせて、実際に機能を操作して意図した動きになっているかを確かめてください。
チェックポイントだけでなくGitでも変更履歴を残す
Cursorには、Agentによる変更前の状態へ戻せる『チェックポイント』があります。作業中に想定外の変更が入っても、その場で巻き戻せて便利です。
ただし、チェックポイントはGitのようなバージョン管理を置き換えるものではありません。バイブコーディングでは短時間に大量の変更が発生するため、区切りのよいところでコミットしておき、いつでも戻せる状態を作っておくと安心です。
Cursorでもコードのブラックボックス化は起こる
Agentへ修正を繰り返し依頼していると、コードの中身を誰も把握していない状態になりやすいです。具体的には、次のような症状が出ます。
- どのファイルが何をしているか分からない
- なぜその実装になっているのか説明できない
- 問題が起きても修正すべき箇所が分からない
これはCursor固有の問題ではなく、AIに任せる開発全般で起こります。Cursorの場合はAskでコードについて質問したり、Review changesで変更内容を確認したりできるため、それらを使いながら理解して進めていきましょう。
機密情報を扱うならプライバシーモードを確認する
業務のコードを扱うなら、プライバシーモードの設定を先に確認しましょう。Cursorの公式情報によると、プライバシーモードを有効にした場合、顧客データがCursorの学習に利用されることはなく、AIモデルの提供各社ともゼロデータ保持の契約を結んでいるとされています。
一方でプライバシーモードがオフの場合は、コードベースのデータやプロンプト、コードスニペットなどが機能改善やモデルの学習のために保存される場合があります。自分で契約したAPIキーを使う場合でも、リクエストは必ずCursorのバックエンドを経由する仕組みです。社外に出せないコードを扱うなら、.cursorignoreでAIへ渡したくないファイルを除外する方法もあわせて検討してください。
(出典:『データ利用とプライバシー概要|Cursor』)
Cursorを使っても設計やテストは不要にならない
Cursorはコーディングを大幅に支援できますが、開発工程のすべてが自動的に適切になるわけではありません。要件定義、設計、テスト、セキュリティ、障害対応、運用、保守といった工程は、これまでどおり人が考える必要があります。
とくに顧客向けサービスや業務システムでは、Cursorで動くものを作れたことと、本番運用できるシステムが完成したことを分けて考えてください。試作品として動くところまではバイブコーディングで到達できますが、その先のリリース承認や保守は人の手が必要なことは覚えておきましょう。
Cursorで自作するか開発会社へ依頼するかの判断基準
Cursorで自作を進めるか、専門の会社へ依頼するかは作るものの性質で決まります。判断に使いやすい軸は次の5つです。
| 判断の軸 | Cursorで自作しやすいもの | 開発会社への相談を検討したいもの |
| 用途 | 試作品、アイデア検証、個人用ツール、小規模な社内ツール | 顧客向けサービス、基幹業務に使うシステム |
| 扱うデータ | 公開情報、テスト用のデータ | 個人情報、決済情報 |
| 障害時の影響 | 自分や少人数の作業が止まる程度 | 顧客対応や売上が止まる |
| 外部連携 | 連携なし、または単純な呼び出し | 複数の既存システムとの複雑な連携 |
| 運用期間 | 使い捨て、数か月単位 | 数年にわたる長期運用 |
上の表の左側に当てはまるものは、Cusorで作ってしまったほうが速いことも多いです。企画の段階でとりあえず動くものをレビューしたいような場面では、バイブコーディングを活用すると良いでしょう。
一方、右側に当てはまるものは、専門家と組んだほうがコスト、スピードの面でも小さく治るでしょう。
ただし、その場合もCursorの導入が無駄になるわけではありません。試作品を自分たちで作ってから相談すれば、言葉だけで説明するより要件が正確に伝わり、認識のずれも減ります。Cursorを試作と要件整理に使い、本格的な開発は専門家と組むという分担も検討しましょう。
ツールごとの向き不向きについては、コーディングAIとは?仕組み・メリット・主要ツール・活用のポイントを解説もあわせてご覧ください。
まとめ
CursorではAgentへ自然言語で指示しながらコードの生成と修正を進められるため、プログラミング経験が少なくてもバイブコーディングを始められます。仕様を整理してからプロジェクトフォルダを開き、Agentへ具体的に指示するという手順を踏めば、最初の一歩は難しくありません。
ただし、Agentにすべてを任せきりにしないことが大切です。方針を決める段階ではAskで相談し、変更内容はReview changesで確認し、繰り返す指示はProject Rulesへ移すといった使い分けを覚えるだけで、開発の進み方は安定します。
そのうえで、本番で使うシステムにはコードの品質やセキュリティ、保守性まで求められます。小規模な試作はCursorで進め、業務や顧客向けの本格的なシステムについては開発会社への相談も検討してみましょう。弊社では、要件の整理から開発、運用までを一貫してご支援しています。AIを使ったシステム開発について相談したい場合は、ぜひこちらまでご相談ください。
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